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『時代の風音』【41】

 司馬遼太郎ほか『時代の風音』を読んだ。堀田善衛氏,宮崎駿氏との鼎談集である。

 東京出張の後に少し立ち寄った渋谷の本屋で見付けた。面白そうだと思い,しかし荷物を増やしたくなくて,アマゾンで注文した。旅先で見付けた本をインターネットで注文して家に配送してもらえるというのは大変便利だ。反面,これでまた店舗を構えた本屋が廃ると思うと良心が痛む。

 本の中では宮崎氏は聞き役で,主には司馬氏と堀田氏が話している。私の場合,司馬氏の対談集だというので手に取った。この人は書いたものだけでなく話も面白いことで有名な人だと聞いていたから,一度対談集・鼎談集か講演録を読んでみたかったのである。

 この本を読んでもそのことはよく分かる。例えば食文化の違いについて論じた部分でこう語っている。「明治三十八年の旅順の陥落のとき…ロシア軍の食糧庫の大豆という大豆の袋からモヤシが出た。それでロシア軍は降伏したという説まである。『もうモヤシが出たから大豆はだめだ』と。つまり,『ロシア人がモヤシを食べることを知っていたらもうちょっとステッセルは頑張れた」(181頁)。

 話として大変面白い。『坂の上の雲』を読んでいればニヤリとする部分だろう。この小説はそれ自体名作だが,『時代の風音』を読むとさらに奥行が感じられるようだ。

 それに,司馬遼太郎といえば主には日本の歴史を素材に小説を書いているわけだが,世界史にも造詣が深く,面白い話をたくさん知っていることも分かった。これから先,司馬氏の対談集ももう少し読んでみようと思った。
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もじゃぽっくる

Author:もじゃぽっくる
神戸在住/35歳/男

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