FC2ブログ

『王城の護衛者』【1】

 司馬遼太郎『王城の護衛者』を読んだ。

 この短編集には好きな作品が多い。

 一番は「鬼謀の人」。幕末の長州に現れた希代の軍師村田蔵六(大村益次郎)がその主人公である。幕府の第二次長州征討に対して石州口を担当して天才的な用兵でこれを撃退し,無血開城後の江戸に幡居する彰義隊2000を僅か1日で滅ぼす才能は,諸葛孔明に比せしめられる。村田蔵六は,後日,『花神』で長編小説としても描かれている。

 「英雄児」も面白い。越後長岡の筆頭家老河井継之助の話である。幕末の長岡で火力重視の富国強兵策を取り,藩をスイスのような独立国にすることを目指す。しかし官軍との激戦を演じて戦死した。継之助についても作者は後日『峠』という長編にしている。両者で,継之助の描き方が微妙に違う。読み比べると面白い。

 表題作「王城の護衛者」は京都守護職松平容保に,「加茂の水」は幕末に官軍の錦旗を作った玉松操に,「人斬り以蔵」は武市半平太のもと京で暗殺に明け暮れた剣客岡田以蔵に焦点を当てている。どれも,良い。
スポンサーサイト



[編集]

プロフィール

もじゃぽっくる

Author:もじゃぽっくる
神戸在住/35歳/男

カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
リンク