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『ストーリー・セラー』【8】

 新潮文庫の『ストーリー・セラー』を読んだ。

 7人の作家が書いた100頁弱ずつの小説が収まっている。手に取った理由は2つ。伊坂幸太郎の小説が入っていることと,そろそろ他の作家の作品も読んでみたいと思ったことだ。この本は,その2つの要請を両立させてくれた。

 伊坂幸太郎の「首折り男の周辺」。首を折る方法で殺人を繰り返す殺し屋と,それに似た男と,最近引っ越してきた隣人がその殺し屋ではないかと疑う夫婦と,いじめられっ子の少年。4者の話が絡まりあって1つの物語を成してゆく展開の妙は,読んでいて心地いい。

 道尾秀介の「光の箱」も気に入った。童話作家が帰郷して高校の同窓会に向かうところから物語が始まる。かつての恋人は来るだろうか。回想が始まり,――いろいろあって――,意外な結末を迎える。伏線が張り巡らされ,随所にトリックもちりばめられていて,最後にニヤリとしてしまう。読後感も良い。

 有川浩の「ストーリー・セラー」も悪くない。設定に違和感を覚える部分もあるが,最後は泣ける。佐藤友哉の「333のテッペン」は,東京タワーのてっぺんに男の死体があったのはなぜかという謎解きもの。木多孝好の「ここじゃない場所」は,同級生の男子が瞬間移動するのを目撃した女子高生がその謎を追い掛ける話。それぞれ読み応えがある。

 買って,まずまず正解だったと思う。
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プロフィール

もじゃぽっくる

Author:もじゃぽっくる
神戸在住/35歳/男

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